犬の遠吠えの不思議~救急車のサイレンにどうして鳴くの?~
救急車や消防車のサイレンが聞こえると、突然、天を仰ぎ、喉を筒のように立て、
ワオオーーン、ウオオーーーン……!
と、まるで狼のように立派な遠吠えを始める犬がいます。
これは何故なんでしょう?
■遠吠えの役割
遠吠えと聞いて一番に思い浮かべる動物は
オオカミではないでしょうか。
群れで生活をするオオカミはそのコミュニケーションの一つとして
遠吠えを使います。
遠吠えは遠くまで聞こえる高音域の吠え方です。
ですので、遠くにいる仲間に自分の居場所を伝えたり
縄張りを主張することが出来る吠え方と言えます。
犬にもこのオオカミの習性が残っていて
群れで生活をしていない現代でも遠吠えをする子がいると考えられています。
■サイレンに吠える理由
最も遠吠えしやすい音としてサイレンの音があげられる理由は
サイレンの周波数がオオカミの遠吠えと似ているからと考えられています。
犬の“勘違い”ですが、本能が呼び起されているのですね。
サイレンに反応した犬の遠吠えに反応して連鎖的に各地で
遠吠えが起きることもあります。
警戒吠えや要求吠えなどはその状況を学習して吠えるようになりますが、
音に釣られた遠吠えに関しては完全に本能による物なので、
そこが他の吠えとの決定的な違いとなります。
■遠吠えをする犬、しない犬
遠吠えをする犬としない犬がいます。
遠吠えをしやすいのは原種に近い犬と言われ、
その筆頭に挙げられるのが姿もオオカミに近いシベリアンハスキーですね。
ハスキーが遠吠えをする姿は野生的でかっこ良さすら感じます。
逆に原種から遠い姿(特に短頭種や小型犬など)は
遠吠えをする個体は減ると言われます。
遠吠えは瞬間的に吠えるので放っておいてもすぐに止むものですが、
止めさせたい場合は少し声をかけるだけで我に返ることが多いようです。
しかし本能で行っているので近所迷惑にならなければ
多めに見てあげても良いような気がします^^;
また、人が恋しくて寂しい犬も遠吠えをすることがあります。
特に分離不安な犬、コミュニケーション不足な犬に起きやすいです。
これらの場合はしっかり原因を特定して、
環境を改善してあげる必要があります。