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犬と食事の関係
文:B-Paws 中沢俊恵CPDT-KA
現在、様々なドッグフードやオヤツが販売されており、大切な愛犬の口に入る食べ物にはこだわりたい!という方が増えています。その一方で、愛犬の小食に悩む方もいれば、ダイエットが必要な犬もいる。
今回は犬と食べ物について触れてみたいと思います。
栄養バランスのよい食事を適切量で犬に与えるのは飼い主の責任です。動物福祉を絡めずとも、当然のことと言えるでしょう。ウェットフード、ドライフード、手作り食・・・といろいろありますが、何を与えるかは飼い主の好みによってもわかれてきます。
ネオフィリア(neophilia)という犬の性質をご存知でしょうか?
犬は環境が変化することはあまり好みませんが、新しいオモチャなどは大好きです。例えすぐに飽きても・・・。簡単に説明すると、このように犬が目新しいものを好む傾向にある性質のことをネオフィリアといいます。私たち人間と犬が楽しくお付き合いできるのも、この性質が大きく関係していることでしょう。
さておき。
犬の嗜好性のほとんどは、パピーの離乳後から飼い主が愛犬に何を与えていたかに影響を受けています。つまり、嗜好性も社会化によって形成されていくということなのです。決まった一定の物しか与えられていない犬は、食べ慣れないものに対してあまり興味を示さないことがあります。口に入れても吐き出してしまったり、ほんの少しだけ食べて残してしまうなどの行動が見られることもあるでしょう。
ネオフィリアにより本来犬は目新しい食べ物を食べたがるものなのですが、それまでの積み重ねた経験により、決まったものしか食べたがらなくなるということが発生するのです。
決まったメーカーの決まったフードのみを与える方は少なくありませんが、もしアレルギーや体質など健康面に問題がなければ、質の良い様々な食べ物を与えていくことを私はおすすめします。その中でさらに愛犬の好みを把握していくのも、犬との生活の楽しみの一つと私は考えます。
様々なものを積極的に食べる個体の方がトレーニングもしやすくなりますしね。
摂取される栄養は、犬の様々な行動にも影響を与えています。
ですのでフードの原材料に何が使用されていて、何がどのくらい含まれているかを知っておくのも大切なことと言えるでしょう。細かいことまですべてを把握することは困難だとしても、おおまかなことくらいは知っておいて損はないはずです。
原材料名の先頭が一番配合の多い材料となるのは周知の事実。犬は雑食ではありますが、先頭にくるのは肉であることが好ましいと言われています。副産物やミールではなく、〇〇肉。
必ずしもフードの成分“タンパク質”の数値が高いほど良いということはありませんが、全体の何パーセントがタンパク質なのかをチェックするのも興味深いものです。
基本的に犬は高タンパク質な食べ物を好みますが、高タンパク質な食事は犬の攻撃性を増加させることが研究によって判明しています。同時に、高タンパク質な食事は腎臓にも負担を与えてしまうので、肉さえ与えておけば良いと云うものではありません。腎機能に問題を抱えた場合は低タンパク質の療法食が処方されるくらいですから。
攻撃性の高い犬に低タンパク質・高炭水化物な食事を与えることで、攻撃性が減少したという研究結果も出ています。それがなぜかと云うお話はここでは端折りますが、食べ物がどれだけ犬にとって大切なことなのかが伝えられればと。
ちなみに、私自身は愛犬にはタンパク質20%ちょっとのフードを与えるようにしています。
30%では高タンパク質、20%以下では低タンパク過ぎてしまい、長期に渡りレギュラーとして与え続けるには別の影響が懸念されるので、健康維持のためには20%ちょっとくらいが丁度良いかなと云う考えです。
もちろん、添加物や保存料など最低限のものにも気を使うようにしています。
カラフルなドライフードやオヤツも販売されていますが、犬は食べ物のカラフルさに惹かれたりはしません。
あまりにも多くの種類のフードが販売されていますので、購入の際に頭を抱えてしまい、フードジプシーになってしまうのも仕方ないことのように感じます。
そんなとき、今回のコラム内容が何かの参考になれば幸いです。
最後に、食べ物は犬に多くの影響を与えますが、食べ物だけで犬の行動すべてを変化させようとするのは間違いであることも述べておきたいと思います。
今回も拙い文章にお付き合いくださいまして、ありがとうございました。
B-Paws 中沢俊恵
バレンタインチョコに注意!
明日はバレンタインデー
チョコを食べる機会が増えると思いますが、わんちゃんにとっては
チョコレートは危険な食べ物です。
そこでいろいろ調べてみました。
■犬がチョコレートを食べたときの症状など
チョコレートに含まれるテオブロミン(Theobromine)が犬にとって強い毒性があり、症状は犬によって差が有る。特にてんかん症の犬が食べた場合、発作を起こしやすいようです。
特に小型犬では少量でもあぶなく、だいたいの目安として犬の体重1kg当たりテオブロミン88mg以上摂取すると危険。
症状として、嘔吐、下痢、多量な排尿、過敏、高体温、運動失調、ふるえ、発作、昏睡などがみられます。摂取量が多ければ、前述したように死亡することもあります。その他には、腹痛、血尿、血便などの症状がみられることもあります。
ある獣医師によると、Nestle社のセミスィートチョコ(たぶん、チョコチップクッキーに使うチョコ。)をそれぞれ1袋づつ(450gくらい)食べた2匹の犬のうち、体重が43kgあった犬は命を取りとめたが、体重が27kgのほうは助からなかったそうです。
■テオブロミンの量など
チョコレートの種類によってテオブロミンが含まれる量が違うが、ダークチョコレートはミルクチョコレートに比べてテオブロミンの量は多いようです。
<テオブロミンが含まれる量>
ミルクチョコレート 155~233mg/100g
ダークチョコレート 1587mg/100g
ビターチョコレート,ココアパウダー、製菓用チョコレート 529~2116mg/100g
ビスケットやウエハースなどにコーティングしてあるチョコレートに含まれるテオブロミンの量は板チョコよりは少な目だそうです。
■応急処置
応急処置としては、塩を食べさせたて吐かせる方法と、
オキシドールを1~5ml程度飲ませて吐かせる方法
沢山の水を飲ませる方法などがあります。
ですが、食べてから1時間以内に有効な手段であることと、
行う際は動物病院に確認をとってからの方が無難ということがあげられます。
いずれにしても、多量にチョコレートを食べてしまったら、動物病院に診てもらうことが必要です。